日中ビジネス促進会、深圳視察を無事終了

2016年8月17日、日中ビジネス促進会による4日間にわたる深圳視察が無事終了しました。今回の視察では、深圳のイノベーション・起業環境を深く調査し、多くの企業や起業支援施設との交流を通じて、技術革新や人材誘致、政策支援の現状を総合的に理解することができ、大きな成果を上げました。

 

革新企業と科学技術園区の現地視察

8月14日、促進会のメンバーは東京から香港を経由して深圳に到着しました。翌15日には、深圳市外国専門家局の李寧副局長が主催する会議に出席し、12件のピッチプロジェクトと30以上の投資ファンドが参加するベンチャー投資マッチングイベントに参加しました。

8月16日からは、現地企業の視察を本格的に開始しました。最初に訪れたのは、1989年に設立された星河控股グループです。同グループは、不動産開発、商業施設運営、金融投資の3つを柱とする成長モデルを構築し、現在は中国を代表する大型複合投資グループとして発展しています。視察では、同グループがインターネットを活用した「星河智善プラットフォーム」の構築による次世代ビジネスモデルへの取り組みについて詳しい説明がありました。

次に訪問したのは、深圳市龍華新区に位置する錦繍科学園です。同園区は、深圳潤楊グループが25億元を投じて開発した「第四世代科学園」であり、「ミニシティ」としても知られています。園区内の企業支援や政策配備、起業家支援などの幅広い取り組みが紹介され、参加者はその充実したインフラとサポート体制に深く感銘を受けました。

また、視察最終日には深圳留学生起業園を訪問。留学生を対象とした起業支援施設であり、深圳市政府が2000年に設立したこの施設は、帰国留学生にとって重要なプラットフォームとして機能しています。同園区は「政府指導、企業運営、留学生管理」という独自の運営モデルを採用しており、これまでに数百社の優れた企業を輩出しています。

深圳の起業支援政策

視察期間中、深圳市が打ち出している多くの起業支援政策についても学ぶ機会がありました。深圳市は「大衆創業、万衆革新(Mass Entrepreneurship and Innovation)」を掲げ、起業家への具体的なサポートを充実させています。例えば、初期企業向けの場代補助や融資支援、留学生起業者への優遇措置など、細やかな政策設計が行われています。

特に、深圳市の「孔雀計画(Peacock Plan)」は海外の高度人材を誘致する代表的な施策であり、これにより多くのイノベーション企業が深圳に集積しています。

視察を通じた成果と展望

今回の視察を通じて、深圳がいかにして中国のイノベーションの中心地として進化してきたのか、その現場を直接体感することができました。深圳市の政府と企業が連携し、「創投之都(ベンチャーキャピタルの都)」を目指していること、そして政策が起業家たちに実質的な支援を提供している点が印象的でした。

日中ビジネス促進会は、今回の視察で得られた知見をもとに、今後の日中間のビジネス交流や技術協力のさらなる推進を目指します。深圳の成功事例が他地域への参考となり、新たなビジネスの芽を育む一助となることを期待しています。

参加者一同、「深圳の起業環境の熱気を肌で感じることができた」と口を揃えて語り、視察を終えました。深圳はこれからも中国のイノベーションを牽引する重要な都市であり続けることでしょう。